人間関係の改善

 家族を含めた人間関係は、人が生きていく上で切り離すことはできません。また、人と関わる中でこそ成長していけるものでもあります。しかし、いつの時代もストレス源の最たるものであり、転職理由では常に上位に挙げられるのが人間関係です。コミュニケーションがうまくいかなかったとき、またコミュニケーションが苦手な方に共通しているのは、他者と関わるときに自分の思いに囚われている、という特徴が挙げられます。

 

どう思われているだろう…

うまく話せないかもしれない…

きっと自分のことが嫌いに違いない…

この人怖そうだな…

いま忙しくてそれどころじゃない、話しかけないで欲しい…

 

頭の中は、あれこれと考えがめぐり、自分の思い(マインドトーク)でいっぱいです。そうすると身体にも力みや緊張が生じます。非言語の部分に思いや感情は表れ、エネルギーとしても相手に伝わりますので、当然ギクシャクとしたコミュニケーションになってしまいます。その出来事がさらに人間関係を悪化させたり、コミュニケーションへの苦手意識を高めることになるのです。

 

マインドフルネスの実践は、いまこの瞬間の自分自身の状態に気付き、ありのままに見つめるトレーニングです。良い悪いといった評価・判断を挟むことなく、ありのままに気付く力が高まると、次第にありのままの自分をあたたかく受け入れられるようになります。自分を受け入れられると、相手を受け入れることもできます。思いやりや共感力が育まれるのです。マインドフルネスが「ハートフルネス」とも表現される点はここにあります。子どもも大人も、マインドフルネス実践を通して自分との関わり方を学び、それが他者との健全な関わり方につながっていきます。そして、実践による体感を伴う理解は、真の自己変革となるのです。