特にトレーニングをしなければ、いつも頭の中であれこれと考えが浮かび続けているのが私たちです。それは、頭の中にいるもう一人の自分と会話をしているように延々と続きます。これを、「マインドトーク」と呼びます。「頭の中のおしゃべり」といえば、よりわかりやすいでしょうか。心理学では「自動思考」と表されるものです。マインドトークは私たちを大きく支配し、身体にも影響を与えます。
マインドトークの内容は、過去や未来についてのことが中心です。「こうすればよかった」「嫌われたかもしれない」など過去の出来事に思いを馳せ、同じように「こうなったらどうしよう」など未来の不安に心を奪われています。そうなると、目の前の体験を十分味わうことなく、また、身体の動きにも全く気付いていない、自動操縦の状況にあるといえます。さらには、頭の中で作り出された世界に没頭し、思い込みの強化にもつながっていきます。
マインドフルネスの実践を始めると、自分の心がまったくじっとしていないことに気付くでしょう。その気付きが第一歩です。自分自身と自分の思いとは別のもの。継続的な自己洞察によって、騒がしい心の奥にある本当の自己に出会いましょう。パターン化された思考や感情、固定観念などに囚われないセルフコントロール力も高められます。