長い間、非科学的と思われていた瞑想について、脳科学分野でその有効性が様々な方向から証明されてきています。マインドフルネスは、いまこの瞬間の自分自身の思考や感情、身体に注意を向けている状態です。そして、自分の動きに意識や注意を向けることで、脳には新しい神経ネットワークが作られ、活性化することがわかってきました。20代前半が脳の活力や学習能力のピークという定説も覆り、脳には可塑性があり生涯に渡って進化し、変化し続けると判明したのです。
それでも、特に意識しなければ我々はすぐに惰性、自動操縦モードに入ります。つまり、意識や注意を向けるトレーニングは継続してこそ効力を発します。
また、脳疲労という観点からマインドフルネスの効果をみてみましょう。休息したにも関わらず疲れが取れない、むしろさらに疲れたと感じた経験がある方も多いのではないでしょうか。
最近まで、何もせずぼんやり過ごしているとき、脳の活動は停止していると考えられていました。しかし、近年の研究により、ぼんやりとしているときほど脳はエネルギーを消費していることがわかったのです。その消費量は、脳が消費するエネルギー全体の約75%に当たるといわれます。これを「デフォルトモードネットワーク(DMN)」と呼び、脳がアイドリングしている状態と表現されています。つまり、無意識的な状態で過ごしている場合、脳は動き続け、これが脳疲労の原因になるのです。
マインドフルネスの実践は、DMNの暴走を抑制し、脳疲労の軽減につながります。マインドフルネス瞑想をすると頭がスッキリするという声が多い所以でもあります。